nat社の建設用空間測定アプリ「Scanat」をドローンに搭載。屋内でもミリ単位のリアルタイム3D測量が可能なワンオペ対応ソリューション提供に向け、モニターユーザーを募集します。
わが国の産業において、高所作業時の転落・墜落の事故は深刻な懸念材料です。建築現場、製造業、電力関連産業、通信インフラなど、多岐にわたる分野で高所作業に従事する作業員や職業人がいます。厚生労働省の統計(※1)によれば、令和4年には2万件以上の転落・墜落に関連する労働災害と234件の死亡が報告されております。
転落・墜落の事故は、作業員の生命・健康だけでなく、労働生産性にも甚大な影響を及ぼします。事故が発生すると、生産活動が一時的または長期的に中断されるおそれがあり、その結果、業務の遅延やコストの増加に繋がることとなります。
この度、nat株式会社とアイ・ロボティクスは、高所での現地調査における問題点を解決するため、より簡便かつ実用的な建設DXソリューション・パッケージの限定モニターの募集をはじめます。このソリューションにおいては、nat株式会社が開発したiOS用ソフトScanat(※2)を搭載したiPhone(※3)をそのままドローンに載せることで、高所へのアプローチを行うことが可能です。
■■メリット■■
点検や工事の際には、現場の状況と図面を比較し、工事前に詳細な計画を策定することが重要です。また、現場によっては図面がない場合もあり、そのような場合には高所を含む現場の正確な計測が必要となります。しかしながら、限られた工期内で高所作業の安全性を確保しながら現場の状況を正確に把握することは困難を伴う作業でした。その結果、現場の安全性が確保できず、事故や後戻り作業が発生することがありました。
今回ごモニター募集させていただくソリューションは、こうした現場においてアイ・ロボティクスによる特定の研修を受けた技術者によって実施が可能となることを想定しています。技術者は、高品質なアプリを搭載したnat社のiPhoneをドローンに装着し、飛行させることで、高所での精密かつ容易な点検を行うことができます。
モニター登録用フォーム:https://forms.gle/DT5k23wU3nK5Xyo97
▲作業のイメージ画像
■■特徴と出来る事■■
データ品質の安定性:
iPhoneの安定したセンサー技術を使用することにより、撮影専用のドローンよりも高品質かつ安定したデータ取得が実現可能です。iPhoneは高品質カメラ4台とLidarスキャナーを備えており、汎用性による安定したデータ収集が可能です(※4)。
iOSアプリとの連携:
様々なiOSアプリを活用することで、フォトグラメトリーや3Dマップの生成も可能です。最新の機種を使用し、世界中の開発者によって開発された最新のアプリを迅速に業務に統合できます。
即時性とデータ可用性:
iPhoneのデータはそのまま現場でストリーミング閲覧可能です。また、何度も確認することでより高い精度で照合でき、高速回線(5Gなど)を使用してクラウドにデータを即座に同期させることができます(※5)。
非GPS下運用:
ドローンは目視および非GPS下で特化したアイ・ロボティクス独自の開発機です。現場でのセットアップは容易であり、一定の研修を受ければ誰でも操作可能です。
ワンオペ(※6)高所点検の実現:
十分な安全確認が行える場合、ワンオペでの高所点検が可能です。
本質的安全性:
基本的に周囲の安全確認を行った上で、目視でドローンを飛行させます。これにより、脚立やハーネスの必要性がなくなり、転落事故のリスクが排除されます。高所作業の申請も不要(※7)となります。
リアルタイム確認:
iPhoneの安定性、汎用性、通信性を生かすことで、午前中にドローンを飛行させ、クラウドで承認を得た後、午後から作業に取り組むといったスピード工事も可能になります。この一連の業務の流れ構築をnatとアイ・ロボティクスの建築DXとしてサポートいたします。
モニター登録用フォーム:https://forms.gle/DT5k23wU3nK5Xyo9
■■ソリューションの概要■■
・現実空間を高精度にデジタル化するアプリ「Scanat(スキャナット)」
ScanatはiPhone/iPadでスキャンするだけで、同種アプリ内最高の精度での計測(mm単位)が可能なiOSアプリです。簡単な操作で、屋外や屋内などの空間を高精度に3D化することが可能です。これまで空間に関するやりとりは図面や写真、ビデオのみでしたが、Scanatはデジタル空間の構築を通じて、「まるで現場にいるかのような、現場をそのまま持ち帰るような」体験を実現します。2022年1月末のリリース以降、リフォーム・内装工事などを主とした企業様にご活用を頂いておりましたが、今回の取り組みを通じて高所の現地調査を必要とする、外壁塗装・修繕工事などの分野でもご活用が可能です。
・アイ・ロボティクス独自のドローンと汎用マウント
本ソリューションにて利用するドローンはアイ・ロボティクス社製の国産汎用機体を利用しております。各種のデバイスが前後左右上下全てにアタッチして調整ができる特殊な形状となっており、iPhone 14Pro搭載時で約7分間の飛行が可能(最大500gのペイロードで約5分間の飛行が可能)、デバイスのアタッチを変える事により様々な非GPS環境における自律飛行が可能な機体となっています。本ソリューションにおいては、本機体をベースとしてデータを取得しておりますが、現場における実業務内での実用性にこだわっていますので、カスタマイズ提供や機体にこだわらず他社製ドローンによる提案も行います。※本機体のみの販売は行っておりません。
・iPhoneからのデータを取り込み現調に利用する仕組み
Scanatは、アプリ内で撮影した3Dモデルの計測・面積計算・メモ・写真閲覧が可能です。また、外部ツール等を利用される際は、下記の3種の形式でデータの出力が可能です。各種CADソフトや点群処理ソフトで作業が可能です。
①点群データ:対象物がどのような形状になっているのか、測定の結果を点で表したもの。XYZやLAS、E57などの拡張子で出力が可能。
②メッシュデータ:取得した点群データを面に変換したもの。FBXやOBJ、STLなどの拡張子で出力が可能。
③CADデータ(有償):撮影した3Dモデルから「CAD図面依頼機能」を通じて、図面に変換が可能。平面図・立面図・天井伏図に対応し、dwgやdxf、pdfで出力が可能。
■■ソリューション導入による期待効果■■
1. 安全性の向上:
従来の高所作業では、作業員や調査者の安全確保が難しい場合がありました。高所への立ち入りや危険な状況での作業は、事故のリスクを高める要因でした。しかし、新たなドローン技術を活用することで、高所からのリアルタイム映像やデータ収集が可能となり、作業員の安全を確保しながら調査を行うことができます。
2. 汎用性と信頼性:
高所の気象条件や気圧の変化は、従来の測定機器の精度に影響を及ぼす可能性がありました。さらに、正確な位置情報の収集もこれまでは困難でした。しかしながら、両社の卓越した技術を結集させ、信頼性の高いiPhoneの情報を活用することで、容易に取得が可能でありつつ、安定した品質を保つことができるソリューションを実現しました。このソリューションは、高所における高所に於ける測定誤差2%以内という驚異的な精度を確保すると同時に、信頼性を備えています。
3. 省人化とSDGs貢献:
従来の高所作業では、仮設足場の設置やハーネスの着用、安全管理の要員の配置などが必要とされてきました。本ソリューションはドローンによる遠隔操作を利用することでワンオペが可能になり、労働者不足や作業者の安全性といったSDGsにも貢献いたします。
高所の現地調査はこれまで様々な問題に直面してきましたが、nat株式会社とアイ・ロボティクスの協力により、より安全で効率的な方法が提供されることとなります。これにより、より多くの人々が高所の調査に参加でき、新たな可能性が広がります。両社は今まで以上に協力関係を深めてまいります。
■■モニター運用パートナーの募集■■
本ソリューションの実装と改善を進めるにあたり、モニターとして導入しながら実際の現場での運用と改善にご協力いただくパートナー企業を募集します。実際の現場をお持ちの企業様からのご連絡を頂けますと幸いです。
モニター登録用フォーム:https://forms.gle/DT5k23wU3nK5Xyo9
※1 資料:厚生労働省の統計(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33256.html)
※2 Scanatはnat株式会社の登録商標です。
※3 iPhoneはApple社の商標登録であり、仕様はiPhone 14 Proの場合です。
※4 モニター取得データに関しては対外的プロモーションに使用する可能性があります。
※5 法令により飛行中の通信は制約される場合があります。
※6 ワンオペ=オペレーターが一人で全ての作業をこなす事。
※7 現場によってはドローン飛行の許可が必要な場合があります。
■ nat株式会社について
nat株式会社は「人々の便利で豊かな暮らしを実現する。」をビジョンに、日本の住宅関連産業を最先端の技術でサポートするアプリ「Scanat(スキャナット)」を提供しています。
会社名:nat株式会社
所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門2丁目2-1 住友不動産虎ノ門タワー5F
代表者:劉 栄駿(Bruce Liu)
設立:2019年5月20日
URL:https://www.natincs.com
■ 株式会社アイ・ロボティクスについて
株式会社アイ・ロボティクスは「安全というインフラを世界中に届ける」ことをミッションとし、様々な技術を駆使しながら、今できないことを次々と実現していきます。
会社名:株式会社アイ・ロボティクス
所在地:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-16-6 GUILD Dogenzaka 6
代表者:安藤 嘉康
設立:2016年11月11日
URL:https://irobotics.jp/